テレワークの基礎知識とそれを実現するさまざまな技術!②
テレワークを実現する情報通信環境
テレワーク(telework)で仕事を行うためには、社外でも社内と同じように仕事ができる情報通信環境が必要です。そして、こうした環境は、ユーザーが使用する端末、社内サーバー、社外からアクセスするための通信手段などから構成されています。
今回は、テレワークを可能とする環境を構成する要素やその種類について紹介します。
利用端末
現在は、共有したい情報はサーバーに置いて、ユーザーが必要な情報にアクセスするクライアントサーバーシステムが一般的です。
そのためユーザーはアクセスするための端末が必要となりますが、その端末にはどういったものが利用されているかご存知でしょうか。
実は、テレワークで使用される端末には特殊な機械を使用するわけではなく、みなさんが普段仕事やプライベートで使用しているようなノートPC、タブレット端末やスマートフォンを使用します。
ここでは、以下の3種類に分けてテレワークにおいて利用される端末について紹介します。
①リッチクライアント(ファットクライアント)型PC
リッチクライアント型PCとは、内蔵されている記憶媒体にデータを保存できるPCのことです。テレワークにおいては、後述するリモートデスクトップ方式を採用する際に利用されることが多いです。
身近なものではオフィスにあるデスクトップPCは、リッチクライアント型PCにあたります。
②シンクライアント型PC
シンクライアント型PCは、内蔵されている記憶媒体にはデータを保存できず、サーバー上で作業やデータの保存を行うためのPCです。
紛失や盗難があっても、情報漏洩になりにくいことから、テレワークに有効です。
③タブレット、スマートフォン
起動が早くパッと手軽に使えるタブレットとスマートフォンは、移動中などの社外でメール、社内システムや業務用のアプリケーションなどを使った作業に便利です。
インターネット環境
端末から会社のPCやサーバーにアクセスするには、インターネット環境が必要です。
いまや、PCとインターネット環境がなければ仕事にならないということも多々あります。
インターネット回線の種類もさまざまあります。
そのなかでも有線では、光ファイバー、ケーブルテレビなどの回線、無線ではWi-Fi、携帯電話網などの回線があり、これらの使用が一般的です。
サーバー構築
社内のホームページ、勤怠管理ツールまたは業務データにアクセスするには、それらを管理、保存しておくサーバーが必要です。
サーバーはテレワーク端末からもアクセスできるように、社外のインターネット回線と接続できる環境を構築する必要があります。
さらに、ファイルを共有する設定も同様です。
システム方式
社内のPCやサーバーにログインして作業を行うためのシステム方式は、複数あります。
遠隔操作といえばわかりやすいかもしれませんが、もしかしたらあまりなじみのない方もいらっしゃるかもしれません。
さきに述べた端末、インターネット、そしてサーバーの選択はこれからお伝えするどのシステム方式を利用するかによって決まっていきます。
リモートデスクトップ方式
リモートデスクトップ方式とは、社外から遠隔操作で社内にあるPCへログインし、作業を行う方式です。
ユーザーは手元の端末で閲覧しながら作業する方法です。
ログイン先の社内PCはリッチクライアント型であることが多くデータを保持していますが、ユーザーが操作する端末ではデータを保持しないため、情報漏洩のリスクを下げることができます。
仮想デスクトップ方式
社内のサーバーが提供する仮想デスクトップにログインして、遠隔で作業を行う方法が仮想デスクトップ方式です。こちらも遠隔操作で作業を行うため、手元の端末にデータは残りません。
リモートデスクトップ方式は、ひとつのPCにひとつの端末がログインして作業しますが、仮想デスクトップ方式は、ひとつのサーバーに複数の端末がログインしての作業も可能です。
クラウド型アプリ方式
クラウド型アプリ方式とは、クラウドアプリケーションを使用して、インターネット上で作業を行う方法です。
社内外ともにインターネットを使用してクラウドアプリにアクセスし、アプリ上で作業を行うため手元の端末、社内外どちらにもデータが残らず、クラウド上に保存されます。
なお、アプリケーションによっては、データのダウンロードも可能です。
会社PCの持ち帰り方式
社内で使用しているPCなどの端末を持ち帰り、社外で使用する方法です。
持ち帰った端末だけで作業ができるため、インターネットへの接続が必須ではありません。
しかし、データを端末に保存できてしまうため、盗難や紛失による情報漏洩に十分注意が必要です。
S-Collection株式会社では、さまざまな情報通信技術(ICT)をはじめとした皆さまの要望に合わせたさまざまなシステム構築をすることで、社会へ貢献しつづけていきます。